Home > People > The Stream > バカ売れ「湯たんぽ」

バカ売れ「湯たんぽ」 2009年2月26日放送

季節外れの暖かさや厳しい寒さを繰り返しながらも、花の便りとともに春の訪れは確実に近づき、そろそろ暖房器具ともお別れかと思うような時節となって来ました。

“安全な製品・SGマーク”でお馴染みの(財)製品安全協会によると、今年は、昔懐かしい「湯たんぽ」が“バカ売れ”という表現がピッタリする売上の急増だそうです。5年前の2004年の販売台数は97万台、その後148万、230万、289万台と増え続け、今シーズン−去年200811月までの実績は、何と794万台に急増、湯たんぽブームは当分続きそうだという観測です。エコ志向の高まりや、灯油代、電気代などの値上がり、押し寄せる不況で将来に対する漠とした不安からの“節約ムード”が背景にあるのでしょうか。

私の家でも1年前に2台買いました。ブリキ製で表面が波打っていて、昔の湯たんぽを思い出させるようなオールドファッションな代物です。寝る23時間ほど前にベッドに入れ、朝までそのまま、実に快適で快眠が得られるという優れものです。約2Lのお湯を毎晩沸かすのにガス代が幾ら掛かるのか計算したことはありませんが、まだ温もりのあるお湯を毎日繰り返し使うことで、水道代もあまり掛からず、暖房費も相当節約になっているという実感があります。

今の世の中、身体を温めるために様々な暖房器具がありますが、「熱容量」という点では湯たんぽが最も優れているそうです。
物理の授業のようで恐縮ですが、熱容量とは物体の温度を上昇させるのに必要な熱量で、熱容量1Kcalとは1ccの水を1
上げるための熱量のこと。湯たんぽは100のお湯で使い始めから冷えるまでの間に、13Kcalもの熱量を放熱しています。100のお湯を作るのと同じエネルギーを使っても、石油ファンヒーターで約3Kcal、電気毛布で 13Kcal前後しか放熱しないそうです。湯たんぽは効率的、経済的で環境にも優しいエコな「暖房グッズ」というわけです。

全国に「無印良品」の店舗を展開する(株)良品計画の湯たんぽへの取り組みが、ある雑誌に紹介されていました。生活雑貨部の嶋崎朝子氏によると、今年の販売予想は約15万台で去年の3倍、5万個売れればヒット商品と言われる会社で“超大ヒット”だそうです。

ブームを先取りして顧客の要望を取り入れた工夫、改良が効を奏したと述べています。1,150円の通常サイズ(約2L)に加え、840円で470mLの小型を新発売、子供用のふとんの暖めやOLが事務所でカイロ代わりに使い、冬のスポーツ観戦での携帯など新しい用途の開拓にも成功。通常サイズの製品も、小家族化で小さくなったヤカンに合わせ、容量を少なめにしたことも好評とか。容器を半透明のポリエチレンにして中のお湯が見える工夫や、専用のカバーもウールやマイクロファイヴァーなど、素材やデザインで10種類以上も揃えるなど商品戦略の成功も売上増の要因と言えるようです。

 各メーカーでも、湯たんぽを立ててお湯の出し入れやカバーを掛け易くするなどの改良や、お湯を沸かさずに電子レンジで暖めるタイプなども発売されています。容器の材料も伝統的なブリキからプラステイック、天然ゴムや陶器製など様々で、サイズ、色、カバーのデザインなども含め豊富な品揃えをしています。安全基準の厳しいヨーロッパからはドイツ生まれの「Fashy」というブランドなども大きなシェアを占め、今後もますます競争が激化して行くようです。

良いところだらけの湯たんぽですが、怖いのは「低温やけど」。湯たんぽの売上増とともに事故のニュースも目立っています。

体温より少し高めの45℃程度でも長時間接していると罹る低温やけどは、皮膚の深い部分まで浸透するため、普通のやけどよりも治療に長時間を要します。今年4月に1年生になる私の孫もこれにやられ、2ヶ月経ってもまだ治療中、お風呂はもちろん、好きな水泳教室でプールにも入れません。大人だと完全治癒には6ケ月以上もかかる上に傷跡も残るそうで、使用上の細心の注意が必要でしょう。

 湯たんぽの歴史は古く、一説では中国で唐の時代にすでに使われ、日本へ伝わって来たのは室町時代の頃とされています。

ところで「湯たんぽ」の名前の由来、“タン!と叩くとポン!と音がするからか?”などと思っていたのですが、とんでもない間違い。中国語で湯たんぽは「湯婆」と書かれ、唐音で「タンポ」と発音、これが湯たんぽの語源だそうです。「婆」は「お婆さん」ではなく「妻」の意味だそうで、奥さんに温めてもらう代わりに「お湯」を使う・・実に粋で艶やかな発想の語源です。日本では「タンポ」では分りにくいため、上に「湯」を付けたようで、中国人には「湯湯婆」となり、「タンタンポ」と読むことになってしまうのでしょうか。

 
 
リンク
 
当サイトをご覧になるにはFLASHプレーヤープラグインをインストールする必要があります。
Get FLASH PLAYER
▲ページトップへ
 
ギャラリーウォーク 〒357-0041 埼玉県飯能市美杉台4-14-16 KDC内  TEL/FAX:042-971-3120         
Copyright © 2010 KDC CO., LTD All Rights Reserved.