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竹からバイオ燃料 2009年3月19日放送

 昨年58日のこの番組で、竹製の棺桶を製造、販売している「竹の商社 エコベール」という中央区京橋にある会社を紹介しました。

世界の竹の種類は約1,100種、日本でも600種類以上もあって竹林面積は8万ヘクタール、管理の行き届かない竹林が放置竹林となって増え続け全国的に大きな問題となっています。

竹は強い上にピーク時には1日に1m以上も伸び、一般的に樹木が成木になるには2040年かかるのに比べ、僅か35年。この成長の早さが“出世の象徴”として“松竹梅”の仲間入りをしています。お目出度い竹ですが、逆にこの成長の早さが里山の周囲の林や農地を侵食、多くの自治体で伐採に取り組んでも竹の成長に追いつかず、放置竹林の増大となっています。年間100万個以上の需要があり、高齢化で増加傾向にある棺桶市場とはいえ、木材主体から竹の活用を・・というエコベール社の試みは注目ですが、増え続ける放置竹林問題への解決には効果も限定的と云えるでしょう。

 地球温暖化の原因である二酸化炭素の削減や、昨年の想像を絶する原油価格の高騰などを背景に、化石燃料に頼らない、植物から作られるアルコール燃料・バイオエタノールがガソリンの代替燃料として注目されています。ただし、サトウキビや大麦、とうもろこしなど農作物を原料とすることから、世界的な穀物の価格高騰を招き大混乱となったのは、まだ記憶に生々しいところです。

 最近の新聞で、放置竹林の竹を原料としたバイオエタノールの精製技術が開発され大きな注目を集めていると報道されました。

オバマ大統領の掲げた“グリーンニューデイール”に触発され、環境関連への大規模投資により新しい需要を創出する動きが活発になっていますが、厄介物の放置竹林をガソリンの代替燃料に活用できるとすれば、一石二鳥どころか実に画期的な技術開発となります。

 資源エネルギー庁によると、現在の日本のバイオエタノール使用量は約1万キロリットル、1世帯当りの年間ガソリン消費量は500-600リットル、わずか17世帯分に過ぎません。これを2010年までに50倍の50万キロリットルへ増やすのが目標だそうです。

 静岡県にある(株)丸大鉄工の大石誠一社長は、長い間放置竹林の有効活用に取り組んで来たそうで、今回開発されたのは竹を0.05ミリの粉末状に出来る“パンダ”と命名された竹の粉砕機。タケノコが食べられるのだから、成長した竹も細かくすればカレーやハンバーグに入れて食べられるはず・・というのがもともとの発想だったそうです。この技術に注目したのが静岡大学工学部の中崎清彦教授、大石社長を研究チームに迎え入れ、農水省の委託事業として推進、竹からのエタノール精製にメドが付いたというわけです。

 竹からエタノールを抽出するには竹の「繊維」を「糖」に変える必要があり、その為には竹を微細な粉末状にしなければなりません。丸大鉄工では新開発の“円盤ノコギリ”の技術を使った“パンダ”により、今までの0.5ミリを1100.05ミリの微細粉末化することに成功しています。0.5ミリの竹粉末では糖化効率はわずか2%、処理過程での新しい触媒の効果などもあり、パンダによる0.05ミリの微細粉末化で、効率は75%までハネ上がっているそうです。

あと一工夫して糖化効率を80%まで上げられれば、10キロの竹から1.1リットルのエタノールが精製可能になるとされています。

 環境にやさしいバイオ燃料とは言え、やはりガソリンに対抗できる価格・コストが重要なことは言うまでもなく、静岡大学の研究グループの目標は「1リットル100円」、実現出来れば竹は画期的な新エネルギー源となります。丸大鉄工には放置竹林に悩む全国の自治体などからの見学者が多くなっているそうです。

 竹の持つ特性を活かした建築資材はもとより、抗菌剤、消臭剤、食品添加物から医薬品など、想像もつかない製品を紹介している(株)タケックス・ラボという会社もあります。本社は大阪ですが、新装なった新丸ビルに東京支社を置いています。社長は日経主催の2007年「ウーマン・オブ・ザ・イヤー、リーダー部門賞」を受賞した名物女性社長の清岡久幸(くみ)女史。2005年の愛・地球博で巨大な竹ケージや断熱遮音効果のある竹の建築資材などを展示して注目を集めました。ある雑誌で“皮も含めて1本の竹をトコトン使いきることが大切”だと清岡社長は力説しています。

 丸大鉄工でも、エサに15%添加するだけで家畜やペットが病気に強く、元気になるという「孟宗ヨーグルト」なる新製品を発表しています。もうすぐタケノコの美味しい季節、竹の秘める無限の可能性に想いを馳せ、竹筒で燗をした熱燗で竹に乾杯と行きましょう。

 
 
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