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世界の豪華旅行客を狙え 2009年3月26日放送

 10-12月のGDPは−12.1%で過去最悪水準に、売上高、設備投資、輸出・輸入とも激減、失業率急上昇、派遣切り、正社員も整理、管理職ボーナス半減、ベアも定期昇給もゼロ・・・最近のニュースは大不況の影響で暗い話題ばかりが目立ちます。WBCでの「サムライJapan」優勝の快挙など明るいニュースもあるのですが、何となく憂鬱にさせられるこの頃です。

 39日に米国の経済誌「フォーブス」が恒例の世界長者番付2009年版を発表しました。世界的な金融危機の影響で保有資産10億ドル(約1,000億円)を超える大富豪は昨年の1,125人から793人に減り、資産額も4.4兆ドルから45%も減って2.4兆ドルと報じられました。片や職を失って住む家も無くなってしまう人もいれば、やはりある所にはあるもので、減ったとはいえ平均的な市民からは想像もできない巨額の富を持つ人も決して少なくはないわけです。

米国の証券会社・メリルリンチ社が20086月に発表した「World Wealth Report」でも、金融資産だけで1億円以上の富裕層は世界に1,010万人もおり、その保有資産の総額は4千兆円を越えています。金融危機で大分様相が変わってきているとしても、やはり、世界的に「富の偏在」の傾向と云えるのかも知れません。

 100年に1度と言われる大不況が始まった昨年10月、時を同じくして観光庁が発足しました。観光庁の目標の一つは「2010年までに外国人観光客を1千万人に!」というもの。最近までこの目標の達成は容易かと思われていたのが、今回の世界的な不況で少し怪しくなってきたこともあり、観光客の数だけでなく質の向上の必要性も考えられ、この面でのかなり積極的な活動が開始されています。

観光庁の主な母体である経産省、国交省が2007年に発表した「ラグジュアリー・トラベルマーケット(豪華旅行市場)調査報告」によると、レジャー目的の旅行に1年間1億円以上を使う富裕層が世界に10万人以上もいるそうです。残念ながら、これらの豪華旅行客を日本の観光市場にはほとんど取り込めていないのが現状で、これから真剣に取り組むべき課題の一つと報告されています。

毎年、フランスのカンヌで「ILTM-International Luxury Travel Mart」という、主催者によって厳選された世界の豪華旅行関連のバイヤーなどが一堂に会する、この分野で最も権威があるとされるイベントが 開催されています。日本ではあまり話題になりませんでしたが、200712月、日本から初めて参加し「ジャパン・ナイト」というイベントが開催されました。歌舞伎衣装や蒔絵の展示、本格的な日本料理のデモンストレーション、茶室での抹茶のもてなしなど、日本の伝統芸能や文化は多くの参加者から好評だったようです。

去年の10月には、品川インターシテイホールで「JLTF-Japan Luxury Travel Forum」 が開催され、世界の各地から専門バイヤーが多数参加しています。ようやく日本も世界の豪華旅行客獲得へ向けての情報発信活動が始まったという段階のようです。

レジャー目的の旅行に年間1億円も使うという豪華旅行客は世界中に散らばっているようですが、特に米国、欧州、ロシア、香港に多いとされています。これら富裕層に共通するのは「本物志向」と「高い知的欲求」。例えば茶道体験なら、本物の家元が点てた茶を名のある正式な茶室で味わうことなどを求めることになります。

1回の日本旅行で7千万円位を使ったある例では、ホテルの宴会場で二人だけのために歌舞伎を再現する、夫人の誕生日のために本物の孔雀を2羽プレゼントするなど、普通の人の常識では考えもつかない要望の持ち主たちと云えそうです。

富裕層の多くはお互い同士のクチコミ以外は、自らの手で情報を集めたり、旅行の手配などはしないという人が多いようです。そのため、芸術、芸能、伝統工芸、イベントや買い物など多様な要望に応え得る能力を持ったエージェント、コンシェルジュの役割が重要で、欧米では彼等をサポートする会員制クラブの活動なども活発に行われています。日本は世界中の富裕層を魅了するに十分な観光資源は豊富なはずですが、双方を結びつけるレベルの高いコンシェルジュやガイドの育成はまだまだ不十分なようです。

それでも、数はまだ少ないのですが、富裕層向け旅行に取り組んで成功している会社も出ています。世界最大の旅行代理店JTBのホームページにも「Boutique(ブテイック)JTB」という英語だけの豪華旅行客関係者向けの立派な案内が載せられています。日本の観光市場への豪華旅行客の呼び込みは、まだ緒についたばかりですが将来大きく発展する可能性を秘めていると言えるでしょう。 

 
 
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