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東京は階段だらけ 2009年5月28日放送

 ここ10年ほど、JRだけでなく私鉄の各駅ともエスカレータの設置が急速に進んでいます。やはり高齢化社会を迎えているからでしょうか。私の見たところ乗客の78割はエスカレータ利用、今時の東京、老いも若きも疲れているのか電車の扉が開いた途端エスカレータの前は長打の列、階段を上る人はマバラという印象です。

最近の東京近辺の駅は地下深くに造られるところが多く、「つくばエクスプレス秋葉原駅のホームは地下4階、地上に出るまでエスカレータを3回も乗り換え、最も深い大江戸線の六本木駅は地下42.3m、階段は265段もありエスカレータは必要不可欠となっています。

 先日、大阪在住の友人と一杯やった時の話。大阪ではエスカレータは右側に乗り、左側は急いで駆け上がる人のために空けるとのこと、東京とは左右が全く逆で驚きました。関西、関東の違いはどこが境界線なのか、名古屋ではどうなっているのかという議論になりました。先週、友人に招かれて仙台の「青葉まつり」に行ったおり聞いて見たら、大阪と同じでエスカレータは右側に乗るそうで、ますます混乱しています。新潟・柏崎ではどうなっていますかねえ。

 本来、エスカレータは乗るものであって歩いて上るのは例外だから特に規則はないのでしょうが、地域で左右が分かれているのは実に不思議で興味深い現象です。

 さて、今日の本題は東京の階段。昨年11月のこの番組で「東京は坂の街―奇抜な名前の坂道たち」と題して、いくつかの面白い名前の付いた坂道を紹介しました。坂道のあるところに階段は付きもの、東京は階段の街とも言えるわけです。

 「東京の階段―都市の異空間・階段の楽しみ方」という本が出版されています。著者は街の階段を巡り続けて12年、階段研究の第一人者と云われる早稲田大学理工学部客員教授の松本泰生先生。都内の名物階段126箇所を厳選、豊富な写真とそれぞれの階段の由緒、周辺の風景や散策の楽しみ方などを紹介した珍しい本です。

 松本教授によれば、東京山手線の内側だけで屋外の階段は約650もあるそうです。これに鉄道の各駅や林立する商業ビルやマンションの階段などを入れたら、東京の階段の数など想像も出来ません。

名物階段の一つ、会社の近くに愛宕神社の男坂があって登ったことがあります。男坂は私が知っているだけでも神田明神や千代田区の駿河台にもあり、全国的にも多い坂の名前でしょうか。登ったから出世するかどうかは別として、通称「出世の石段」とも呼ばれています。階段の傾斜は約37度で相当の急勾配、一個の石段の高さは2224cmで86段、途中に踊り場は無く両側に手摺りと真ん中には鎖があるものの、高所恐怖症の人にはやはり足が竦む高さです。

個性的な珍しい階段として紹介されているのが、文京区大塚にある扇型の階段。僅か3mの高低差で13段、下から上へ扇型に徐々に広がっている珍しい形状で、一方は数軒の住宅がある袋小路、もう一方は路地に繋がっているものの非常に狭くて部外者の通り抜けは困難という、著者の松本教授も首をかしげる不思議な個性のある階段として取り上げられています。

毎年、健康診断の時期が近づくと体重やお腹の周りが気になるメタボリックシンドローム。先日ある新聞に「階段登りこそメタボ対策に最適」という筑波大大学院スポーツ医学の田中喜代治教授の解説記事が載っていました。仕事に追われ運動不足になりがちなサラリーマンにとって、手っ取り早い健康維持の方法だとしています。

地下鉄の階段は踊り場が多く、「途中で疲れたらエスカレータに乗り換える」、無理をすると関節を痛めるので特定の区間だけ階段という「自分なりのルールを決める」、慣れてきたら「かかとを上げる」、「一段飛ばし」で上るなど、階段登りのコツを解説しています。

「東京地下鉄巡礼団」というグループを作って地下鉄の階段巡りに励んでいる61歳の会社員・稲富滋さんによれば、一段を16cmとし、東京の全地下鉄の駅の階段をすべて登り切れば、富士山を越える高さになるのだそうです。挑戦する価値があるかも知れません。

 体力と高所に自信のある向きには、東京タワーの外階段を使って高さ150mの大展望台まで600段の階段を登るプログラムがあります。途中からエレベータへの乗り換えは不可。日曜、祝日のみ、雨天・荒天時は中止、登った人には「登り階段認定証」が授与されます。    

苦しみを乗り越え一歩一歩踏みしめながら登り、踊り場で過去を振り返り未来を仰ぎ見る、「階段」はどこか人生の象徴という気がします。20031113日からこの番組の担当を始めて、いつの間にか今回が200回目、くしくも「階段」がテーマとなりました。

 
 
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