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ペットボトル症候群 2009年7月23日放送

 先日、ある雑誌に「ペットボトル症候群」という聞き慣れない病気の話題が載っていました。これは俗な言い方で、医学的には「清涼飲料水(ソフトドリンク)ケトーシス」と呼ばれるのだそうです。

猛暑の季節、汗をかいて喉が渇き、少量でも糖分の含まれているソフトドリンクを大量に飲み続けると、糖分の代謝を促すインスリンの供給が間に合わなくなり高血糖状態となります。

この状態では、さらに喉の渇きを覚えソフトドリンクを飲み続けるという悪循環となり、体がだるい、猛烈に喉が渇く、多尿、急激な体重減少などの症状となり放置すれば、やがて昏睡状態、生命の危機にも至る・・これがペットボトル症候群と言われる病気です。

糖質の含まれるソフトドリンクを大量に飲むことが原因となるため、むしろ若者に発症例が多いことで注目されているようです。小学生の頃から肥満や糖尿病などの生活習慣病が増えているのも、こういった清涼飲料水の飲みすぎが背景にあるとも言われています。もちろん、中高年も例外ではないようで要注意です。

ペットボトル症候群は、1992年の日本糖尿病学会で聖マリアンナ大学の研究グループによって初めて報告されました。10代から30代の糖尿病患者25人を調べたところ、22人は清涼飲料水を1日に23リットルも飲んでいることが分ったのだそうです。コーラやジュース、缶コーヒーなどには糖質が多く含まれているものが多く、それが糖尿病の原因ではないかと推測したというわけです。

東京港区の虎ノ門病院・内分泌代謝科の野田部長によると、この症候群はペットボトルと自動販売機が普及し、清涼飲料水が手軽に飲み易くなった1980年代半ばから急激に増加したと推測されるとのこと、便利さを追求するあまりの現代病の一つかも知れません。

日本自動販売機工業会の統計によると2008年末の酒・ビールも含めた飲み物の自販機普及台数は全国で2,588,200台、年間販売金額は25千億円以上という凄まじい数字です。

ペットボトルの「ペット」は犬や猫のペットではなく、原料の「ポリエチレン・テレフタレート(PolyEthylene Terephthalate)」という樹脂の頭文字を取ったもので、いわゆる「ポリエステル」のこと。ペットボトルは、軽くて持ち運びやすく輸送にも便利、強くて丈夫、衛生的で安心、外観も美しいなどの特徴から、清涼飲料水の容器として適しており、自動販売機やコンビニなどの増加とともに一挙に普及し、現代人の日常生活に深く溶け込んでいます。

 ペットボトルは回収してリサイクルできることも大きな特長で、PETボトルリサイクル推進協議会の統計によると、何本分のボトルに相当するのか分りませんが、日本のボトル用樹脂の販売量は昨年度52万トン、回収されたのは69%で36万トン、リサイクル率は88%だそうで、つまり52万トン使用されリサイクルされたのは32万トンということになります。この数字からは、かなりリサイクルが進んでいると言う印象を受けます。米国も欧州も樹脂の使用量は日本の約5倍の250万トン、回収率はいずれも日本より大幅に低く欧州は41%、米国は何と24%に過ぎません。ポリエステル樹脂の原料はもちろん化石燃料である石油、いかに日本の回収率やリサイクル率が高いとは言え、CO2削減が叫ばれる中、便利さを求めた結果のペットボトルも大量の石油消費に繋がっていることになります。

 世界銀行が発表している統計によると、内戦や自然破壊などにより飢餓に苦しんでいる人口はアジアで53千万人、アフリカ18千万人、中南米5千万人と凄まじい数に上ります。1日の生活費が1ドル以下という極めて貧しい人たちは南アジアやアフリカ諸国を中心に812万人もいるそうです。

 私たちが、気軽に自動販売機で買うペットボトル入りの清涼飲料水は120円から150円、1ドル以上です。ちょっとした喉の渇きを潤すためにアッという間に飲んでしまうペットボトル、この一本で一日を生活している人が812万人もいることを考えると、何か罪の意識を感じてしまいます。

 一方、最近「水筒男子」という言葉が流行しているとか。大手食品メーカー「ミツカン」が2050代の会社員を対象にした調査で、オフイスにマイボトルで飲み物を持参する人は全体の4割、特に20代の男子は半分以上。不況で節約、エコも考えた最近の世相の反映でしょうか。暑い真夏のゴルフ、私も500mlのペットボトルを4本以上飲むこともあります。水分を補給しないと熱中症、ソフトドリンクを飲み過ぎればペットボトル症候群。これからは水筒に自家製の無糖質の飲み物を詰め、「水筒老人」を目指そうと思います。

 
 
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