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縮む日本と移民問題 2009年12月24日放送

 今日はクリスマス・イヴ。二人の娘に、小学校4年から1歳半まで合わせて7人の孫がいる我が家では、私と二人の父親がサンタに扮し白い袋を担いで子供たちにプレゼントを配るパーテイが毎年の恒例になっています。すぐに迎えるお正月はお年玉、入園、入学、節句、七五三、誕生日と神仏だけでなくキリストにも影響され、人数が多いと子育てには親だけでなく、祖父母にもかなりの負担です。

 専門家の予想よりも早く少子高齢化の影響が現れ、日本は2005年をピークに人口は減少に転じています。このまま推移すると2050年には9千万人以下となるそうで、しかも10人の内4人が高齢者という、まさに「縮むニッポン」という表現がピッタリです。

来年度予算の編成が差し迫る中、民主党マニフェストの目玉「子供手当」も何とか実現の様子、前政権の定額給付金のような一時的なバラマキと違い、少子化対策のため、子供は両親や家族だけでなく国が育てるという発想の転換で50年先を睨み、今、手を打つという政策には、多くの国民からの賛同があるようです。

しかし、最近伝わって来るニュースでは、2020年には子供をつくれない単身世帯が30%を越える見込みだとか、出産適齢期にある若い人達が対象の調査で“子供を持ちたいとは思わない”という割合が7割近い・・といった、「子供手当」の効果がどこまで効いてくるのか疑問に思うような話題も多くなっています。

 経済成長と人口は密接不可分の関係にあるわけで、一部には日本の人口はむしろ9千万人位が最適で、それに見合った長期の戦略を立てるべきという説もあるようです。例えば、最近鹿島出版会から発刊された大野英敏・東大教授の「シュリンキング・ニッポン」では、縮み行く日本の街づくりを考えるきっかけにして欲しいとして建築家の立場からの新しい提案を紹介しています。

空き家が目立ち始め、一人暮らしの高齢者が点在するという、縮んで行く日本の都市を、発想を転換して造り直し「ファイバーシテイ」と名付けた新しい都市計画として纏めています。

一方、成長を持続するには本格的な移民政策をとるべきだという主張もあります。昨年7月のこの番組でも、当時の自民党の実力者中川秀直氏が会長を務め80人もの自民党議員が名前を連ねた「外国人材交流推進議員連盟」が提言した「50年間で1千万人の移民受け入れ」について紹介しました。前回選挙で大敗した自民党、この議員連盟はどうなったのか、また、政権交代した民主党のこの移民問題への考え方や、日本の長期的な成長戦略も見えていません。

国際移住機構(IOM)の報告によると、2000年には、世界人口の3%に相当する17千万人が母国を離れて暮らす移民だったのが、2050年には23千万人に増加すると推計しています。

経済の更なるグローバル化、先進国で少子高齢化の一方途上国での爆発的な人口増、絶えることのない民族間紛争など、さまざまな要因を考えると、それが正式ルートであろうと違法であろうと、人々が国境を越えて移動することを止めることは、島国である日本でさえも難しくなって来るのかも知れません。

最近号の「日経ビジネス」誌に、東京入国管理局長を務められ、やはり1千万人移民計画に賛同する坂中秀徳氏との対談記事が載り興味深く読みました。人口減少の始まった日本は、人口が減っても外国人には扉を閉ざす「美しい衰退への道」か、移民を計画的に受け入れて「活力ある社会を維持し経済大国の地位を守る道」のいずれかを選ばざるを得ず、年金、医療、介護、社会福祉などを考えると、計画的移民受け入れ以外に道はないのではと坂中氏は主張しています。50年かけて、英国、フランス、ドイツ並みの10人に1人の移民、9千万人に対し1千万人の移民は妥当ではというわけです。

 今の日本の外国人受け入れは「外国人労働者」という発想が主流。目下は、日本人でも派遣、契約社員、失業など不安定な雇用情勢で、こんな発想では計画的移民どころか不安定そのものです。

坂中氏は、日本は入国する時の規制ばかりが厳しく、日本社会に入った後に、どのような社会の構成員になってもらうかの政策が欠落していると指摘、育成型の移民政策が肝要と提言しています。

 移民で成立ち、人種のるつぼと云われる米国に永く駐在したこともあり、多少の人種差別感は受けたにせよ、私自身は異人種の中で生活して行くことに全く抵抗がありません。単一民族、島国の日本では1/10が異人種・異文化という状態は想像も出来ないほど難しいのかも知れませんが、50年後の日本は新しい世代になって、もっと国際的に開かれた国になっているのではという気もしています。

 
 
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