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アフターヌーンティー 2010年5月6日放送

レストランなどでの食後、「コーヒー、テイーどちらに?」と聞かれます。私はコーヒー派、オフイスでも自宅でも大きめのマグカップに、多い時は145杯の薄めのコーヒー、テイーはたまにはという程度です。嗜好飲料として同格なはずの両者ですが、ビジネス形態となると全く違っているのが不思議に思えます。

 歴史と文化に彩られた街・神楽坂に、部屋数56室のこぢんまりとした佇まいのアグネスホテルがあります。大型のシテイホテルと違って都心にありながらゆったりとした雰囲気、“住む”感覚が好まれるのか、比較的長期に滞在する外国人にも隠れた人気があるようです。

1年ほど前、ここのテイーラウンジで友人達との会合がありました。午後の3時頃、評判だという「恋の泉」という女性好みの名前が付いたアフタヌーンテイーセットを試して見ました。

香りのいい紅茶と一緒に出て来たのは3段積みのテイースタンド、1段目にはサンドイッチ、2段目はプレーンとチョコチップ2種類のきちんと温められたスコーン、3段目はフルーツの盛り合わせ、レアチーズケーキ、チョコレートソースのムースと豪華、料金は1,800円、かなりの分量でとても一人では食べ切れませんでした。

テイーラウンジからの窓の外の景色も素晴らしく、静かで、都心というより軽井沢にいるような感覚、評判となるのも納得でした。

アフタヌーンテイーは1840年頃のイギリスが発祥の地。第七代ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアによって始められたとされています。単に紅茶と軽食、ケーキを楽しむだけでなく、社交の場として日本の茶道のように室内装飾、花、食器、作法などに基本的な知識が必要で、交わされる会話も重要だとされていたようです。

後にこのような習慣が一般化したのは女性の社交の場としてだけでなく、オペラや音楽会などの後は、夕食が夜の9時以降となってしまうため、事前の腹ごしらえの意味もあったのでしょう。

イギリス貴族の女性社交の場として始まったアフタヌーンテイー、「ゆったりした優雅なひととき」がキーワードであり、神楽坂のアグネスホテルに限らず、都内のほとんどの高級ホテルで楽しめます。

帝国ホテル17階にあるインペリアルラウンジ“アクア”、フォーシーズンズホテル椿山荘の“ル・ジャルダン”、マンダリンオリエンタル、リッツカールトン、ペニンシュラー東京など、それぞれ3段のテイースタンドに工夫を凝らしたセットメニューを揃えています。

お値段は1,500円から3,000円、時間をかけてゆったりと優雅に過ごすことに価値観を認めないと納得出来ない値段かも知れません。

アフタヌーンテイーの性格上、チェーン展開する企業は現れていないようです。ただちょっと紛らわしい「アフタヌーンテイー・テイールーム」というお店が東京の新名所の一つ新丸ビル4階にあり、新宿、渋谷、横浜、荻窪など10店舗を展開しています。

店の名前にもかかわらず、必須アイテムの3段テイースタンドも無く、単に美味しい紅茶と様々なケーキ、スイーツのセットメニューのようで、本来のアフタヌーンテイーとは違うようです。

 一方のコーヒー。多くのブランドがチェーン展開をしています。

成長著しいスターバックスは854店、最も店舗数の多いドトールは直営店322店、フランチャイズを入れると1,142店舗、さらに系列のカフェ・コロラド、エクセルシオールなどで290店舗と大規模。

179店舗を展開するカフェ・ベローチェ、イタリア語で“早い”という意味だそうです。もちろん嗜好の違いもあるでしょうが、テイーが“ゆったり優雅に”に対し、コーヒーは“短い時間での気分転換”と言った時間の要素が両者の特徴という気がします。

英語でも“テイータイム”に対し“コーヒーブレーク”という言い方をします。“タイム”には「少しゆっくりしょう」という雰囲気があり、“ブレーク”は「ちょっと一服」という意味に取れるでしょう。

 最近、派手な缶コーヒーのTVCMがやたらと目立ちます。街中に溢れる飲料水の自動販売機、コーヒーとテイーの割合はおそらく“82”くらいの感じでしょうか。一本の缶コーヒーを飲む時間は1〜2分、楽しむというより飲み干しているだけという印象で、あくせくと時間に追われる現代人の象徴という気がします。

 ゆったりとしたソファーがあって、クラシック音楽が流れ、会話を楽しめる昔風の「喫茶店」の面影を残すのは、200店舗近くを展開

する「ルノアール」くらいでしょうか。ほとんどのコーヒーショップは、“少しの時間”と“独りの居場所”という雰囲気でしょう。

 少し高くつきますが、アフタヌーンテイーを楽しみながら、豪華な雰囲気でゆったりした優雅なひとときを過ごすのもお勧めです。 

 
 
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