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370年の歴史 七味唐辛子 2010年5月27日放送

 激辛料理が人気、寒い冬だけでなくこれからの暑い季節にも大汗をかきながらも食欲増進、夏バテしない効用もあるとも言います。

 私も激辛党ではありませんが、韓国や四川料理、メキシコ、タイなどのスパイスの効いた料理は魅力で、ときおり出かけます。

 中華料理では四川料理が辛いと思っていたら、もっと辛いのは湖南料理。京橋にある「雪園」という湖南料理専門店で昼食に“豚肉と豆腐のピリ辛石鍋ご飯”を試して見たら、ピリ辛どころか超激辛でした。山椒を多く使って“しびれる辛さ”の四川に対し、唐辛子そのものの“刺激的な辛さ”が湖南料理の特長、毛沢東の出身地であることから「毛家菜(マオジアツアイ)」とも呼ばれるそうです。

 湖南料理店も池袋、新宿などの繁華街に出店が目立って来ています。

 10年以上も前ですが、永くタイに駐在していた友人の案内で有楽町駅の近くにあるタイ国料理店「チェンマイ」での夕食会がありました。脳天に突き抜けるような辛さで、何人か翌日体調を崩したのが今でも鮮明な記憶として残っています。

 自宅の台所にある香辛料を調べて見ました。白胡椒、黒胡椒、一味と七味唐辛子、辣油、豆板醤、タバスコ、甥のメキシコ旅行みやげに貰った「El Yucateco」はタバスコの数倍の辛さ、気付いて見ると我が家もかなりの種類の香辛料が揃っています。

 加えて友人に教わった自家製香辛料もあります。ロシア製のウオッカに、鷹の爪をたらふくぶち込んで1週間もすると絶妙な味の香辛料の完成。時間が経つとさらに進化、スパゲッテイや焼きソバにかければ辛さの浸み込んだアルコールの風味が活きて来ます。

 何と言っても日本人にとって最高の香辛料は七味唐辛子でしょう。

浅草は伝法院の近くに、いかにも歴史を感じさせる「やげん掘」と書かれた大きな木の看板を屋根の上に掲げた「やげん堀中島商店」があります。およそ370年前の寛永2年が創業という老舗、この番組でも取り上げた53軒の「東都のれん会」の会員です。

 初代「からしや徳右衛門」が江戸両国薬研堀で七味唐辛子を売り出したのが始まりで、以来、その独特の香りと程よい辛味は江戸っ子の嗜好に叶い、江戸名物の一つとなり「薬研掘」の地名を屋号として繁盛を続け、現在の浅草に本店を移したのは昭和18年でした。江戸時代の最もポピュラーな食べ物は“そば”、これにピッタリな七味唐辛子が急速に普及、以来営々と繁盛して来たようです。

 「東都のれん会」のしおりに載せられている中島商店の七味、七色の材料の説明が実に味わい深く、そのままご紹介します。

 “まず最初にとり合わせまするは武州川越の名産で黒ごま、次は紀州有田の名産でみかんの粉、江戸内藤新宿は八ツ房の焼き唐辛子、四国高松の唐辛子の粉、東海道を上りまして静岡は朝倉の粉山椒、大和のけしの実、野州日光の麻の実、以上、七色が七色、共に香り「大辛・中辛・小辛に辛ぬき」、名にしおうお江戸のやげん堀、家伝で合わす七色は世の皆様のお好みに叶う元祖の匙加減、お江戸の薬研堀の出張販売で御座居ます。”・・・大道芸の口上そのものです。

 浅草やげん掘と、京都・清水寺にある「七味屋本舗」、長野・善光寺前の「八幡屋磯五郎」が日本三大七味と云われ、いずれも300年の歴史を誇り、それぞれ微妙に調合する材料が違っているようです。

 「薬研(やげん)」は時代劇などによく出て来る、医者が薬草などを調合、磨り潰すのに使っていた道具のこと、江戸幕府がこの地に造った堀が底の浅いV字型で薬研に似ていたところから「薬研堀」という地名になったとされています。今でもこの地に江戸中期に創業したという「元祖七色唐辛子・大木唐辛子店」もあり、こちらが好みだという隠れた人気もあるようです。

 やげん堀中島商店、店内はそれほど広くはないのですが、七つの材料それぞれの粉末の木箱がズラリ、好みに合わせて調合したり、

 口上にあったように大辛、中辛、小辛と調合済みのものもあります。入れ物も大小のひょうたん型、独楽の形をしたもの、小さな樽型など木製は1,890円、お馴染みのフタと本体の穴を合わせるタイプはプラステイック製と塗り缶があって893円、竹筒は998円と多種多様、おみやげ用にも適した商品がたくさん並んでいます。

 唐辛子は大昔から中央アメリカ、南米各地などで栽培されており、インデイオが下痢や麻酔の薬として使っていたものをコロンブスがスペインに持ち帰り、後に漢方薬として日本に伝わったとされています。この漢方薬を何とか食用に出来ないかと研究、七味唐辛子として完成させたのが、やげん堀中島商店の創業者、「からしや徳右衛門」、現在に通ずる偉大な創意工夫に敬意を表したいと思います。

 
 
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