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先進医療で外国人客誘致 2010年6月3日放送

 観光庁が新設されたのは200810月、今年、2010年の外国人観光客を1千万人に!が目標でした。順調に伸びて来ていたのですが、昨年はリーマンショックや円高の影響で前年から2割近くマイナスの679万人と落ち込み、目標達成は難しい状況のようです。

 伸長著しい中国からの観光客を増やすべく、観光ビザの発給基準を従来の年収25万元(約350万円)以上のいわゆる富裕層から、一定以上のグレードのクレジットカード所有者へも拡げる対策が決まり、大きなニュースとして報道されました。

東京でも、中国からの買い物客で賑わう銀座や秋葉原などにとっては朗報で、低迷気味な消費需要を活性化するチャンス、中国語の出来る社員の採用や教育など対応に追われることになりそうです。

 一方、単に観光や買い物だけでなく、世界的にも高いレベルにある日本の医療技術や設備、特に先進医療で外国人客を誘致しようという動きがあり、政府でも新たに「医療ビザ」の創設が検討されるなど、今後大いに注目される分野かも知れません。

 最新号の「日経ビジネス」には、“観光客誘致の目玉は医療技術―米国なら1,000万円近い治療費が、ここでは300万円」という見出しで鹿児島県指宿市に建設が進んでいる、最先端のガン治療―粒子線治療装置を備えた“メデイポリス”を紹介しています。

 切らずに治すガン治療としての放射線治療は主に中性子線が使われています。中性子線は照射すると皮膚付近を頂点にエネルギーが減衰し、肝心のガン細胞に到達するまでに弱まってしまい、結果的に正常な細胞にまでも過剰に照射され、皮膚の潰瘍などいろいろな副作用をもたらすという欠点があります。

これに対し最近注目されているのは、中性子線ではなく陽子を高速に加速して出来る「粒子線」を使う方法。粒子線は体内に入射されるエネルギーの大きさによって届く距離を調整でき、しかも到達したところで最大のエネルギーを出すという特性があります。

そのため、ガン細胞だけにピークのエネルギーをピンポイントで照射できるわけで、他の細胞を傷つける可能性が極めて少なく、より有効な治療が出来るというわけです。患者への治療形式は今までと同様なのですが、陽子を加速して粒子線をつくるための加速設備は、何と東京ドーム1個分ほどのスペースが必要となるため、治療施設全体では約100億から200億円かかるとされています。

このため、過密化している都市部よりも土地に余裕のある地方が設置に適し、地域活性化も図ろうという動きが出ています。

 昭和40年代には新婚旅行のメッカとして年間135万人もあった南国の街・指宿への観光客も、安い海外旅行の普及などの要因もあって昨年は85万人まで落ち込んでいます。観光客を呼び戻すこれといった名案もない中、この粒子線治療装置を備えた先進医療施設によって世界中から人を呼ぼうというのが“メデイポリス”作戦です。

治療にはある程度の長期滞在が必要となるため、裕福な外国人も満足できるような宿泊施設、温泉を利用したプールやジム、レストランなどを整える必要もあります。指宿市では話題となった旧厚生省のグリンピアを買収、改装して活用、来年4月に開業予定です。

 粒子線によるガン治療は約300万円と高額ですが、米国では1,000万円もかかることや、優秀な日本の設備技術や進んだ医療技術を考えると決して高くないというわけです。多忙を極める経営者や著名人、手術によって体を傷つけることを避けたい俳優など、世界中を視野に入れた粒子線治療の需要は大きいと予測されています。

 こういった動きから、旅行会社のJTBでは国内の医療機関に対して外国人の受け入れをサポートする「ジャパンメディカル&ヘルスツーリズムセンター」を4月に開設しています。必要な通訳などを用意、宿泊や交通面でのサポートを提供、医療観光で日本を訪れたい外国人向けにパッケージツアーを企画する予定だそうです。

 単なる観光客の数だけでなく、治療費はもとよりある程度の長期滞在のために、これらの富裕層が落とすお金は相当額に上るわけで、観光立国を目指す日本にとって注目すべき動きと云えます。

 粒子線医療技術は1980年代に米国で生まれたのですが、世界で最大の販売実績を持つのはベルギーのIBAという会社、日本では日立と三菱電機が主力メーカーで、治療への信頼性、確実性が高いのは日本製であり世界最高水準という評価を得ているようです。

現在、国内でこの治療設備があるのはわずかに8箇所のみ、自然が美しい柏崎の「じょんのび村」近辺や、「松之山温泉」などを活用した最先端医療施設ができたら・・そんな夢を見たいものです。

 
 
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