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銀座生まれの源氏ボタル 2010年6月17日放送

 有名ブランド店がひしめく銀座中央通り、羊羹の「虎屋」やあんみつで有名な「立田野」なども近くにある銀座七丁目の一角に、創作和菓子「宗家 源吉兆庵」の銀座本店があります。

 毎年、初夏のこの時期に吉兆庵が銀座本店で開催する「源氏ボタル鑑賞会」、今年は7年目になるそうで、67日から13日までの1週間だけ、毎夕午後の6時から9時まで開かれていました。私も初日の7日、オープン直後の6時頃に訪れ、覗いて見て来ました。

 エレベータで2階に上がると、真っ暗な部屋に78匹の蛍の光の点滅、目を凝らして見入っていたら“それはLED、本物は奥の方です”と浴衣姿の女性係員に言われて、思わず苦笑いでした。

56坪の狭い部屋に8基ほどの水槽が置かれ、本物の蛍が飛び交い、幻想的な光を点滅させています。オープン直後ということもあって、TBS系列のTV局が取材撮影中、子供のインタビューなどもあり、“時おり点けられるライトで蛍もビックリ、まだ活発な動きがないようです”吉兆庵 広報・マーケテイング室の岡田直子氏の説明。

ここには約400匹の源氏ボタルが飼育されています。1週間の開催期間中に、水槽内の苔に産み付けられる卵を吉兆庵の工場のある岡山県に持ち帰り、1年間掛けて大切に育て上げ、来年の鑑賞会に再び持ち帰るのだそうです。いわば「銀座生まれで岡山育ちの源氏ボタルたち」ということになるわけです。

 卵から成虫にまで成長できる蛍は僅か1割程度、これは自然界の蛍もほぼ同じで、蛍育ては心を込めた大変な仕事のようです。

 かつては、初夏になると銀座の柳に蛍が飛び交った時代もあったとか、今はビルの一室での鑑賞会・・時代の変遷を感じさせます。

 それでも、東京近辺には今でも自然の蛍の名所がいくつかあるようで、都内では椿山荘、横浜の山渓園、東京都下稲城市にある上谷戸親水公園などは蛍鑑賞の名所として知られています。

 源氏ボタル、平家ボタル、ヒメボタルくらいしか思い浮かばないのですが、世界には約2,000種類もの蛍が生息、日本でも代表的な源氏ボタルのほか40種類が観測されているそうです。

蛍は初夏の風物詩ですが、中国や朝鮮半島、対馬に生息するアキマドボタルは名前のように秋に成虫となり、日本の最西端・西表島で発見されたイリオモテボタルは真冬に光るのだそうです。

 最も親しまれている源氏ボタル・・名前の由来は「源氏物語」の主人公「光源氏」からというのが有力だそうで、源氏に対抗して平家ボタルもいて、いかにも幻想的な蛍らしい命名です。

 あるホタル通の話では、蛍の光の点滅は西日本では2秒間隔、これが東日本では4秒間隔と発光のパターンが違うのだそうです。

 それでは「銀座生まれ、岡山育ち」の吉兆庵源氏ボタルはどうなるのでしょうか。何か感覚的には中間を取って3秒間隔のような感じでしたが、この話、半信半疑で聞いた方が良さそうです。

 「♪蛍の光、窓の雪」・・歌詞はまさに「蛍雪時代」そのものです。

 1932年(昭和7年)に創刊された旺文社の大学受験雑誌「蛍雪時代」が今も変わらず刊行されていることを知り感激です。

 ネットで世界中の情報が自宅で入手出来る現在に比べ、圧倒的に情報量の少なかった私たちの高校時代、貧乏で毎号は買えずに、時おり買ってスミズミまで読んだ「蛍雪時代」は貴重な愛読雑誌でした。

 「宗家 源吉兆庵」は昭和22年創業の老舗和菓子店、四季おりおりに売り出される独創的な和菓子は何とも優雅で魅力的です。

 今では国内に約135店、ニューヨークの五番街など海外にも16店舗が展開されています。2年ほど前に我が家の近くにも開店され、高級感と、漂う優雅さから時おり贈答用に利用しています。

 「吉兆庵」の銀座本店ビルの456階には高級懐石料理店「松濤(しょうとう)」があり、普段からお祝い事などの利用客が多いのですが、「源氏ボタル鑑賞会」の期間中は特別料理の「蛍懐石」、お値段は10,500円。3階は「松濤・粋」という割烹料理。広いカウンター席から料理人の手さばきが見えるのが売り物だそうで、期間中は「幻蛍」と名付けられた創作デザートが用意されています。 

 「源氏ボタル鑑賞会」には毎日約2300人が訪れるそうですが、会場では「恋ほたる」という日本酒が振舞われていました。

 1階のお店で期間限定の創作和菓子「銀座の蛍」という11,260円の羊羹をおみやげに買って来ました。暗闇を表した羊羹に草むらと光りゆらめく蛍があしらわれています。鑑賞会期間中に何本くらい売れるのかという質問には企業秘密とかで答えて貰えませんでした。 
    
 初夏の銀座のド真ん中で、蛍づくしの優雅なひとときでした。

 
 
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