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アメリカで「おにぎりチェーン」を目指す 2010年7月15日放送

 前回はアメリカ人に納豆を売り込もうと頑張っている人の話題を取り上げました。今週は、これも最も日本的な食べ物「おにぎり」で全米500店舗のチェーン展開を目指す男たちの話題です。

 最近のあるTV番組で、日本企業はどちらかと言うと内向きで、グローバルな市場を視野に入れた取り組みに欠けると指摘されていました。コンビニからスーパーまで「おにぎり」で溢れかえっているような日本。全く視点を変えて「おにぎり」などほとんど見かけないアメリカでチェーン店を展開しようという発想は、奇想天外に見えても、案外成功の可能性を秘めているのかも知れません。

 もう7年ほど前ですが、韓国のソウルに出張したおり、翌日の早朝会議に備え朝食はホテルの部屋でおにぎりと決め、前の晩に日本から出店しているコンビニで買っておきました。食べてビックリ、具はキムチとベーコンでかなりの辛さ、それでも結構おいしく、“所変われば品変わる”を実感しました。

 最近出張して来た友人の話では韓国も今は日本食ブームで、焼き鳥、日本風のラーメン、カレーやトンカツなどの専門店が多くなっていておにぎりもヒット商品の一つ、韓国風に味付けされた「おにぎり専門店」も増えているのだそうです。

 ホノルルでのゴルフの昼食に食べた「スパムむすび」の美味しさが今でも忘れられません。スパム(SPAM)はアメリカのホーメル・フーズ社の商品名で、豚肉をハムのように加工した缶詰。1センチほどの厚さのスパムを醤油で味付け、おにぎりの上に載せて帯状の海苔で巻いただけ、淡白なごはんと適度に脂っこいスパムとのバランスが美味しさの秘訣でしょうか。「スパムむすび」はハワイ料理、沖縄などでも定番の「おにぎり」なのだそうです。

 日本でも昔は梅干が主流、今では定番の鮭、たらこ、おかかに加え選ぶのが難しいほどの品揃えで激しい競争が展開されています。

 アメリカでおにぎりのチェーン店を目指しているのは、サンフランシスコ在住の兼松さんと長谷川さん、ともに32才の若者二人です。兼松さんは早稲田大学卒業後IT関連企業に勤めた後、渡米してインターネットシステム開発会社を経営。長谷川さんはロスの大学で景観建築を学んだ後、建築関係の仕事をしていました。別々の道を歩んで来た二人がサンフランシスコで出会ったのは2年前、米国に500店舗のおにぎりチェーンを創ろうというのが共通の夢、真剣に取り組んで来たのだそうです。

 バックに大きな資本もなく、米国の飲食業界に決して詳しいわけでもない二人にとって、小さなおにぎり店舗といえども開店するには大変な苦労の連続だったようです。

 大きな力になったのは、スペイン語で「キッチン」を意味する「ラ・コシーナ」という食品関係の起業を支援するNPO法人、主に南米からの移民女性を対象に、開店に必要な法律問題から店のイメージ戦略まであらゆる面から創業を支援する組織なのですが、二人の優れた発想や企画力、説明力そして何よりもその熱意に動かされて支援に踏み切ったのだそうです。

 アメリカ人が買ってくれるおにぎりの開発も大変で、ありとあらゆる機会を見つけて試食会を開き、用意した試作品は数十種類。選ばれた具はテリヤキチキンなどの他、ヒジキ海藻サラダ、自家製のナスマリネ、テリヤキ豆腐など日本では想像もできないおにぎり。 黒い海苔はアメリカ人に好まれないことから、代わりに使われているのはソイペーパー(Soy Paper)。

 大豆が原料で無味・無臭な上、緑、黄色、紫など色彩豊かなおにぎりの誕生、値段は1個約200円です。

 商品名も単純な「おにぎり」のローマ字ではなく、英語風に

 Onigilly」として商標登録、会社も設立されました。

 今月初め、サンフランシスコの「ジャステイン・ハーマン・プラザ」に目出度く第一号店のオープンにこぎつけています。

 最近、最先端を行く日本の代表企業ユニクロの柳井社長、楽天の三木谷社長が相次いで、社内のコミュニケーションや会議では英語を公用語とすると発表、マスコミを賑わせています。

 日本国内だけの視点で発想していてはグローバル企業としての発展が望めないという強い決意表明になったのでしょう。

 異国の地で、日本の二人の若者がおにぎりチェーン500店という壮大な夢に向って邁進する姿に大きな拍手です。

 肥満が社会問題化し、カロリー過多のアメリカ人。健康食としてのおにぎりで二人の夢の実現は案外近いのかも知れません。

 
 
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