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急速に進むビル屋上緑化 2010年8月19日放送
 「記録的な猛暑、熱中症激増、ゲリラ豪雨頻発・・」こんな言葉が毎日ニュースに溢れる今年の夏、都市部が周辺地帯に比べ異常に高い気とになる、いわゆるヒートアイランド現象で、東京の暑さは報道以上に一段と厳しく感じられるような気がします。

 強い日射しによるビルや道路の表面温度の上昇、特にビルの屋上の温度は日中5060℃にもなり、周りの空気を暖め夜間も熱を蓄えたままで熱帯夜の原因にもなります。加えて空調機器や自動車などの廃熱、高層ビルによる風の遮断などで異常な暑さとなるわけです。

 8月初め、福島県の芦ノ牧温泉の近くにある「大内宿」を訪ねてきました。東京と同じ位の最高気温345度の日で、もちろん暑いのですが、肌を刺すような東京都心の意地悪な暑さとは違って、何かやさしい暑さという印象でした。

 江戸時代の宿場の面影をそのまま残している大内宿。街道の両側に茅葺屋根が整然と並び、道の両側にはトマトやキューリ、ラムネを冷やしている冷たい清流が流れています。街道は砂利道、周りは畑や田んぼ、ぐるりと緑一色の山々に囲まれた景観は日本の原風景そのもの、気温は高くても暑さがやさしく感じられるのでしょう。それでも広いコンクリートの駐車場は、文明の利器にして熱源の自動車が多く、東京と同じような意地悪な暑さを感じさせます。

 東京都はヒートアイランド対策として「ビル屋上緑化」「校庭の芝生化」「道路の保水性舗装」を柱として懸命に取り組んで来ています。

特に屋上緑化では、2001年に制定した条例で、1,000u以上の土地に建つ建物の新築および増改築をする場合には、一定の割合で屋上の緑化を義務付けました。この条例をきっかけにその後のエコブームなどもあり、ビル屋上の緑化が急速に進んでいるようです。

国交省の調査によると2000年には135千uだった屋上緑化の面積は、2008年には約18倍の2418千uにまで急増しています。

35℃を越えるような猛暑日には、ビルの屋上の表面温度は5060℃にも上がると云われています。屋上を草木で覆うことにより、草木に含まれた水分が蒸発する「蒸散効果」で表面温度を20℃以上引き下げる効果があるとされています。

 政府も環境分野には力を入れる方向であり、温暖化対策、ヒートアイランド対策、CO2削減にも効果のある「屋上緑化」は、成長産業であり、多方面の関連企業が新技術を開発して参入しています。

建築基準法では屋上の積載荷重を1uあたり60kgとしており、屋上緑化では、敷き詰める土壌の軽量化が技術開発の鍵となります。

ある程度の高さの植物が育つには最低でも10cmの土壌が必要だそうで、普通の土では軽く100kgを越えてしまいます。また土壌には満遍なく水と空気を供給してやる必要があります。屋上緑化のために建物の構造を強化するとなるとコストが問題であり、使う土壌の軽量化や給水方法に新しい技術革新が急務というわけです。

 サントリーの子会社「サントリーミドリエ」という会社が2008年にこの分野に進出しています。「パフカル」という屋上緑化用の土壌はスポンジ製で重さは普通の土の約半分、ただ軽いだけでなく内部に豊富な空気を含くんでいて“ふかふか状態”に仕上げているそうで、通常の土が給水を続けると固くしまり酸素が不足してしまうという欠点を解決。さらに植物繊維をスポンジに混ぜることで、毛細管現象で水分を全体に行き渡らせることが出来、植物の成長に最適な人工土壌の開発に成功したというわけです。

 屋上に土壌を置くパレットにも新製品が続々発表されています。「東邦レオ」と言う会社は「R−パレットシステム」という凹凸のついた発泡スチロール製の土台を開発、凹部分の土壌を10cmにし、比較的に背の高い草木を植えても重量を都条例の1u当たり60kg以下に押さえることに成功しています。

 屋上緑化には土壌やその土台などの問題だけでなく、自動給水システムやメンテナンスの問題、害虫に対する対策、減熱効果の大きな新種の草木の開発など解決すべき課題も多いようです。まだ歴史の浅い屋上緑化産業、地球温暖化は確実に進むわけで、ある程度の規模の都市では確実に伸びる成長産業と云えるでしょう。

 ただ、別の面からの対処も必要でしょう。日本は東京に一極集中し過ぎていてその人口は1,300万人、東京から約100km圏にある水戸、宇都宮、前橋、高崎市の人口は多い市で51万人、少ない水戸市は27万人に過ぎません。これらの中核都市を100万都市化することで、単に温暖化対策だけでなく、国全体の政治、商業、金融などの機能の分散化は将来的な国の安全保障のためでもあると考えます。

 
 
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