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中国人客増に備える成田空港 2010年9月1日放送

 1ドル85円を割り込んだ最近の急激な円高は、日本を訪れる外国人観光客にとってはマイナス要因、それでも7月から始まった中国の個人観光ビザ発給条件の大幅緩和で中国人観光客の大幅な増加への期待は大きく、成田空港にもいろいろな変化が見られます。

年収による制限を低くするというビザの発給条件が緩和されただけでなく、今までは北京、上海、広州と沿岸部の大都市だけだったビザの発給審査場所が青島、大連、重慶、洛陽といった内陸部や東北部にも大幅に拡げられていて、こちらの効果の方がむしろ大きいだろうと云われています。

現在、中国全土で日本へ直行便を飛ばしている都市は20箇所、日本で中国便を受け入れているのは18空港、今後は双方とも増えて行くことになるでしょう。昨年、2009年に日本を訪れた外国人旅行客は約680万人、この内中国からは約100万人でした。

JTBの田川博巳社長はある雑誌のインタビューで、今後の中国人旅行客の動向について次のように語っています。「将来的な目標としては中国人海外旅行者の10%を日本に招き入れたい。現状では中国人の海外渡航者は約4,700万人、5,000万人になるのは時間の問題、この10%で少なくとも年間500万人が目標となる。」というわけです。

羽田を国際ハブ空港化するという国交省の方針で、焦っているのは今まで首都圏で唯一の国際空港だった成田空港、周辺の商店や施設なども中国人観光客を狙った取り組みを活発に進めています。

現役時代は海外出張などで多い時は毎月成田空港を利用していましたが、しばらくご無沙汰、久し振りに訪ねて見て来ました。

 早朝の午前9時、成田山新勝寺の参道で「トレジャーハンター成田空援隊」と書かれたTシャツを着た10人ほどの若者たちが、中国からの観光客を中心に「福袋」を配っていました。「福袋」の中身は参道の各商店から提供されたお菓子や漬物、空港関連の各種グッズなど。空援隊のメンバーは地元商工会議所や青年会議所、成田国際空港会社などから集まっています。ライバルの羽田空港が10月から国際線の枠を拡大する前に、何とか成田の魅力を発掘し「成田ブランド」を高めようという必死さが感じられます。

 ターミナルの一角に試験的に設置されたのがテレビ電話。応対するのは中国人スタッフで、丁寧に中国語で案内してくれるという仕組み、効果があれば設置場所を増やす計画だそうです。 第一ターミナルにある電化製品を扱う免税店の店頭には「中国語が使える店員がいます」という大きな中国語のパネルが掲げられています。売上の4割は中国人だそうで今後も増加は必至、中国人スタッフをさらに増やすつもりだと言っています。

 世界で21億枚以上も発行されている「銀聯カード」は、中国では最も一般的な支払手段。このカードが使えないと中国人買物客を取り込むのは難しく、成田空港の全免税店がすでに加盟しています。空港近くにあるショッピングセンター「イオンモール成田」でも去年の秋から全専門店が導入。圧倒的に日本人客が多いという成田山新勝寺参道の商店街でも導入する店が増えているそうです。

 成田市でも、外国人観光客に成田を日本旅行の最終宿泊地にして貰おうという「ラストナイトイン成田」というキャンペーンを計画中、空港を中心に町を挙げての真剣な取り組みが進んでいます。

都心から最速36分の新型スカイライナーもプラス要因のようです。

 成田空港への中国人入国者は2003年には約32万人で韓国、米国、台湾に次ぐ4位だったのですが、2008年には約59万人と倍増してトップになり、今回のビザ規制緩和と急発展する中国経済で、今後はさらに急速に伸びると予想しています。田川JTB社長の予測に基づけば、中国からの500万人の内、約半分の250万人以上が成田空港を利用する計算になるわけで、期待の大きさが理解できます。

 今まではほとんどの旅行会社は日本からの海外旅行客が業務の中心だったのですが、すでに人口減少が始まった日本、これからはいかに海外からの観光客を呼び込むかが勝負となるでしょう。

欧米からの観光客はもちろん、中国人の旅行者も単に観光名所を回り銀座や秋葉原で買い物・・と言った忙しく駆け巡る典型的な観光旅行だけでは満足せず、特にリピーターは日本の伝統的な文化に深く触れることに魅力を感じる人達が増えているそうです。

 すでに世界的にポピュラーな日本食を本格的に味わう、そして日本的な「おもてなし」の心を異国の旅行者にいかに受け入れてもらうか・・などが成功の鍵になるのかも知れません。「技術立国」だけでなく「サービス立国」も日本の発展に貢献するという気がします。

 
 
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