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主流は単身世帯向け商品 2010年10月21日放送

 先日あるコンビニ店に立ち寄ったら、キレイにパッケージされた梅干1個が105円で売られていました。もちろん、いろいろ微妙に味付けされた凝った大粒な梅干でした。あるTVのニュースでは、コンブの佃煮が一人前、一食用に売られていると報じられていました。

単身者が1回で食べ切れるようにとの狙いでしょうが、もともと保存食としての佃煮や梅干となるとやはり驚きです。

コンビニに限らず、スーパーでも単身生活に便利な小型にパックされた食品や惣菜などが増える傾向にあるようです。

 全国民の最大関心事である年金、厚労省の説明資料や計画の世帯単位は夫婦に子供が二人という、いわゆる「標準世帯」。ところが国立社会保障・人口問題研究所によると、1980年に42%を占めていた標準世帯は最近のデータでは激減して28%に過ぎず、単身世帯の31%を下回っています。2030年には標準世帯は22%まで低下し、逆に単身世帯は37%に拡大すると予測されています。まさに高齢化社会の急速な進行・・結婚の高齢化や未婚、離婚の増加、高齢者が伴侶を失う、などが単身世帯急増の背景でしょうか。

広告代理店・電通のある論文では、消費市場として考えた場合、例え親子が一緒に住んでいても、息子や娘がとうに30代半ばを越えてそれぞれ収入があるようだと、単身世帯としての消費行動となり、単身市場は実際の数字よりもさらに多いと考えられます。

最近号の「日経ビジネス」にも「家族消費時代の終焉〜ファミリー市場は衰退、シングル市場が主流〜」という記事が載っていました。

小売業界でも、家族需要が主体のスーパーの売上が伸び悩み下降気味なのに対し、単身需要が主なコンビニがコンスタントに伸びているのも世帯構成の変化が要因の一つと思われます。

家族で食事を楽しむファミリーレストランが苦戦し、牛丼、ラーメン、立ち食いそばなど、単身客が主体の外食チェーンが活況、家族用のステレオセットが衰退し、個人で楽しむヘッドフォンステレオが主流、電話やネット、メールという最も個人的な携帯電話の爆発的な普及など、商品の動向も単身世帯―シングルマーケットを主体に考えざるを得なくなっているようです。

地デジ化と減税効果で活況の46”、50“といった薄型大画面テレビも、家族一緒に大画面で楽しむというより、一人で見ても大画面の迫力を満喫する例が多いのではと思います。

常に時代の流れの最先端を行くとされる東京・秋葉原。1980年代までは家庭電化製品の街、1990年代は個人として使うパソコンの全盛時代、そして2000年代は「オタクの街」になったと言われます。

つまり秋葉原は、ファミリー需要全盛の時代から“狙いはシングル市場”の時代に変遷して来ているというわけです。

 単身世帯の増加は少子化につながります。郊外の広い一戸建て住宅よりも、街の中心部に近いマンションやアパート需要が増え、公共交通機関の利用で自動車産業も決して安泰とは言えないのかも知れません。私のような世代が好む標準的な4人乗りセダンは少なくなり、最近は家族用の大型バンと小型コンパクトに二分される傾向にあるようです。いずれ近い将来、自動車も1人乗りのコンパクトな電気自動車が主流という時代になるのでしょうか。

 家族の絆の大切さが叫ばれ、地域活性化、農業再生、子供手当など少子化に歯止めをかける諸施策が議論されています。一方、ファミリー市場からシングル市場への流れに敏感な企業は、単身生活に便利で魅力ある商品や生活スタイルを次から次へと提案、大量の広告費を投入、さらに個人の楽しみ方の多様化もあり、逆に単身世帯の増加に拍車をかけることになるような気がします。

 戸籍上生存している100歳以上の高齢者の内、23万人以上が所在不明、多数の「行旅死亡人」という身元不明のまま亡くなる人、10年以上も3万人を越える自殺者、孤独が主な原因という高齢者の万引き27千件・・・家族という絆を失った「無縁社会の闇」という、ある新聞の表現に慄然とします。

 大家族時代から核家族化へ、そしてついに単身世帯が半分に近づくというのは、21世紀の人間の幸福論は別として、やはり、どこか異常な世界という感じがしています。

 寒さを迎える季節は何といっても鍋料理。スーパーやコンビニに鍋料理用の食材が並び始めました。ここでも、一人用にパックされたものが増えています。70日間、地下700mから33名全員が帰還したチリ鉱山、世界中の感動を呼んだのは強い家族の絆でした。

鍋物は、やはり大勢の家族で楽しく囲むのが似合っています。

 
 
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