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コレド室町の老舗「にんべん」 2010年11月18日放送

 次々と誕生する新しい商業施設で日本橋界隈が活気づいています。去る1028日、三井不動産が運営する「コレド室町」と野村不動産の「ユイト(結都」」が同時に開業し話題となりました。

 5年前の6月、この番組で「コレド日本橋」を詳しく紹介しましたが、「コレド室町」はその第2弾。「コレド」は英語の「中心、核」を意味するCOREEDO(江戸)を組み合わせた「COREDO」という造語です。一方の「ユイト」は「結都」からだそうで、お江戸日本橋は5街道の起点で人や物資の集まる所、「都と都」を結ぶという意味から「結都」と名付けたそうです。いずれもネーミングには苦労の跡が伺われますが、ちょっと聞いただけでは意味不明です。

 日本橋は江戸時代の商業の中心地、その影響もあるのか伝統ある老舗が多く、夜の営業時間が短い、土日は休業が多いなど集客力に難があり苦戦して来ました。かつて“夜はゴーストタウン”と云われた近くの丸の内地区では、ライバルの三菱地所が活発な再開発で新丸ビルなどビジネスビルに高級ブランド店やお洒落な飲食店、美術館などを入れて複合商業高層ビルとして生まれ変わらせ活性化に成功、日本橋界隈は出遅れていた感がありました。

今回オープンした「コレド室町」は地上6階建、江戸時代から続く街並みに溶け込むような外観デザインで、若い客層にも人気のある店舗25店、飲食店は夜の11時まで営業するなど、年間500万人の来場者を見込み、来年度の売上は40億円と意気盛んです。

 「鰹節」と言えば「にんべん」、創業は元禄12年(1699年)、日本橋で310年の歴史を持つ老舗が本店を「コレド室町」の一階に開店しました。 “三代、百年、同業で継続、現在も盛業を続けていること”という厳しい資格条件を会則とする「東都のれん会」53店の中でも、「にんべん」は、まさに老舗中の老舗です。

 行列の出来る人気店から話題の新業態まで揃った美味しさ、江戸の老舗から東京初出店までの幅広い商品群、展示会から多目的ホール・・と多彩な顔を見せる「コレド室町」の中で、「にんべん」はかなりの存在感を果たしているように感じられます。

 世界中で親しまれている日本食の生命は鰹節のだし汁。コレド室町の「にんべん」では「日本橋だし場」、英語表記では「DASHI BAR」と名付けたコーナーを設け、紙コップ1100円の本格的な本枯鰹節から採っただし汁が味わえると評判になっています。

だし汁だけではあまりハッキリしない味ですが、これに備え付けの塩や醤油を加えると何とも言えない微妙な味わいとなります。だし汁のテーステイングといった雰囲気で面白い趣向と言えるでしょう。

 だし汁だけでなく“一宿一飯”をもじった“一汁一飯”をテーマに、鰹節から始める健康な日本型食生活として惣菜、汁物、ご飯類など幅広いメニューも提供されています。「けずり場」というコーナーでは最新の削り加工機による本枯鰹節の実演販売、削り方や鰹節全般についての相談なども受け付けています。

もちろん、店内には鰹節関連の多彩な商品群を揃え、310年の伝統を誇る日本橋のおみやげとして持ち帰る人も多いようです。

 何で鰹節に「にんべん」という商号なのか不思議です。「にんべん」の創業者は初代 高津伊兵衛、日本橋で戸板に鰹節や干物を並べて売り始めたのが創業の原点でした。後に「伊勢屋伊兵衛」と名乗るようになり、伊勢屋の伊の字の「イ」をデザインした商標を看板としました。江戸の人たちは「伊勢屋」の代わりに誰いうとなく「にんべん」と呼ぶようになったのだそうです。「にんべん」は遠い昔の江戸の人たちによって命名された商標、社名というわけです。

 鰹節の旨味の秘密はカツオを始め、サバ、アジ、イワシなど赤身の回遊魚に含まれるイノシン酸です。

回遊魚には強い行動力から魚肉中に活発な酵素が含まれています。生きている魚にはイノシン酸は無いのですが、死んだ途端に酵素の働きで急速に腐敗が進み、この過程でイノシン酸が形成されます。

最もイノシン酸が形成される時間は、死後硬直が終わった直後という難しいタイミングだそうで、魚を煮ることで腐敗の進行を止め、イノシン酸が多い状態を保持します。ただ煮ただけでは水分中の細菌などによりイノシン酸が分解してしまうため、水分除去・・焙乾(あぶりーかわかす)という複雑微妙な工程を経て、日本料理の命、伝統の鰹節の完成というわけです。

 「けずり場」のコーナーで聞いた話と「にんべん」の説明書から鰹節の解説を試みようと思ったのですが、その奥深さはとても短時間にこなせるほど甘くないと悟らされました。 

 
 
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