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週末ファーマー、退役ファーマー 2010年12月16日放送

 週末や休日、さらには出勤前や仕事の合間に農業を楽しむ「週末ファーマー」が急増中という話題がNHKの番組“クローズアップ現代”で取り上げられました。その数は200万人を越えるといわれ、もともと農業を営んでいる農業就業人口の260万人に迫る勢い、日本の農業にとっても無視できない存在というわけです。

今まで農業には無縁だった若い女性向けのファッション雑誌までもが「農ギャル」の特集を組み、若い男性向けの雑誌にもさまざまな関連企画が組まれているようです。

 一方、団塊の世代が一挙に退職、余暇を家庭農園で楽しむ人達も多く、「週末ファーマー」ならぬ「退役ファーマー」の急増も予想され、この傾向にさらに拍車がかかるという気がします。

会社退職後、「千葉生涯大学」の園芸科に4年間通って本格的に学び、市民農園を借りて栽培、野菜はほぼ自給自足だという千葉在住の友人が2人もいます。近所に住む大手出版社を退職した友人が、自宅の目の前に約100坪の農地を借り、現役時代から始めたという菜園は本格的、先日もごっそり頂いた大根や白菜は実に立派で、大きさもスーパーの倍以上の感じでまさに感嘆の一言です。

改めてざっと数えて見ると、私の狭い友人関係だけでも10人以上が何らかの形で家庭菜園に関わっています。

季節はずれの低温や強烈な猛暑など、天候不順の影響で高値が続く今年の野菜、不況下での自給自足は大いに意味があるでしょう。

さらに世の中を騒がせた食品偽装や農薬使用の問題なども「週末・退役ファーマー」ブームの背景にあるのかも知れません。

 開通後ほぼ6年になる「つくばエクスプレス」は予想以上の乗客数で好調なようです。都心の秋葉原から約30分にある「柏の葉キャンパス駅」は私も利用する最寄り駅ですが、アッという間に34階建や24階建の高層マンションが10数棟も林立、ララポートという巨大ショッピングセンターも賑わう大都会の様相に様変わりです。

ところが、この駅から北へ僅か2分、茨城県との県境、利根川の手前にある「柏たなか駅」の周辺は全く対照的で、駅前には商業施設はほとんど無く、ビルは56階建のマンションがちらほら、広い空、緑と土・・のどかな田園風景が広がっています。

 「柏たなか駅」周辺の町造りのモットーは「農業の見えるまち」だそうで、柏市を始め、JA,UR(旧住宅公団)、つくばエクスプレスなどに加え、この地にキャンパスのある東大、千葉大も参画して「農あるまちづくり実行委員会」が組織されています。

 実行委員会の活動の一つに「農業体験農園」があります。「柏たなか駅」の高架下に造られた運営事務所を訪ね、話を聞いて来ました。

 地域の農家5軒が農地を提供、1区画30uの農園を整備し、今年の春から農園主を募集、すでに43区画が契約済みです。それでもまだ希望者が多く、協力農家に区画整備を依頼中だそうです。

多くの「市民農園」のように単なる区画貸し農園ではなく、「体験農園」は種蒔きから苗の植え付け、肥料のやり方から収穫までをプロの農家の指導のもとに体験しながら進める仕組みです。

種、苗、肥料だけでなく必要な農機具も備えられており、利用者は労力を提供して収穫物を自分のものとして持ち帰るわけです。

このタイプの農業体験型農園は、平成8年に東京・練馬区で始められた“緑と農の体験塾”が第一号で「練馬型農園」といわれ、運営方法など各地のモデルケースになっているようで、「かしわ田中」も大いに参考にしていると話していました。

契約は途中解約なしの1年で料金は年間43,000円。作付けは春、秋の2回で合わせて20種類程度の野菜が出来るそうです。農家の野菜作りのプロによる講習会が月に13回ほど開催されます。実行委員会主催の“野菜を活かした料理教室”なども好評だそうです。

1年間に買う野菜は幾ら位なのか見当もつきませんが、年間料金は貸し手の農家が耕作して得る収入と、種や苗、肥料などの費用や指導料などとのバランスの上に設定された料金なのでしょう。

今年は天候不順で野菜の値段も高かったのに、どういうわけか、ここの体験農園は大豊作、利用者は大喜びだそうです。

 自分で育て収穫する喜び、青い空のもと土に触れて汗を流す健康生活、日常のストレスからの解放、指導してくれる地元農家との触れ合い、借主同士の新しい交流、夫婦や親子の絆など、金銭には代えられない目に見えぬ効果が希望者殺到の要因のようです。

 TPP問題で農業の将来が大きな課題となる中、農業体験農園や市民農園なども無視できない存在となるのかも知れません。 

 
 
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