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竹活かした箸袋 2011年2月17日放送

 台東区蔵前に本社のある「長井紙業」という会社では、年間約20億枚という、とてつもない数の「箸袋」を製造・販売、その内の7割近くには“竹パルプ”が使われているそうです。

 20億枚には驚きですが、テーブルの箸立てにドサリと割り箸の置いてあるところなどは別として、高級、中級はもとより、かなり値段の安い食事処でも箸はキチンと箸袋に入れて出されています。

 洋食のナイフやフォーク、スプーンは高級なレストランでも袋に入ってはいません。箸袋は、このところ盛んに話題になる日本の「おもてなし」の象徴の一つと言えるのかも知れません。

店の名前だけの簡単なものから、シンプルながら優雅な、品位のあるイラストやデザイン、色合い、紙質など、中には記念に家に持って帰りたくなる魅力的なものも多くあります。

 いずれにしても、長井紙業1社だけで年間20億枚、日本全国では一体何枚の箸袋が使われているのか見当もつきません。

最近では、森林資源保存というエコの立場から木製や竹製の割り箸をプラスチック製に切り替える傾向もあり、長井紙業の話では箸袋の需要も今後は毎年13%は減少すると見込んでいるようです。

プラスチック製になっても、箸袋に入れて出される方が清潔感もあり、それこそ「おもてなし」の心を感じるという気もしますが・・・。

 箸袋のサイズや種類も、箸の先だけをカバーする長さ90mmの短いものから、「江戸長箸袋」といわれるものは箸全体がスッポリと納まり、携帯用にも適しているという250mmと長いものまで、長井紙業だけでも実に幅広い品揃えです。

幅も32mmと細い「ミニ」から374248mmなどが標準幅で、中には63mmという幅広タイプもあり、これはスプーンなどにも使われるそうです。「三つ折」はお祝い事の席で使われることが多いとか、箸袋も用途に応じて実に多種多様なものが用意されています。

 箸袋の材料は紙、紙はパルプから作られ、パルプの原料は木材。長井紙業が今注目されているのは、日本初の試みといわれる「生竹から作った竹パルプ」を使っていることです。

 20085月のこの番組で「竹の棺」というタイトルで、東京都中央区にある「エコベール」という会社が竹製の棺桶を作っているという話題を取り上げました。竹細工製品は便利なプラスチックに取って代わられ、タケノコも中国からの輸入品が増えるなど、全国的に竹林が放置されるという深刻な問題を抱えています。

 長井紙業が年間に製造する20億枚の箸袋の内、竹パルプを使っているのは約7割、通常の木材パルプに1015%の竹パルプを混ぜる形で活用しているそうで、印刷の仕上がり具合や箸袋としての質感のためには、1015%が限度だそうです。

 長井紙業の工場は埼玉県の幸手市にあるのですが、竹パルプは日本有数の竹の産地、鹿児島県に工場のある「中越パルプ工業」製。鹿児島県では放置される竹林が問題なだけでなく、良質なタケノコを育てるには年に数回の間伐が必要とされ、1ヘクタール当り年間約600本もの間伐竹も放置されていたのだそうです。

この放置竹林や間伐竹を活用した竹パルプに長年取り組んで来たのが「中越パルプ工業」という会社だというわけです。

コストの面からは、竹パルプは木材パルプに比べて割高になるのですが、長井紙業では今のところ競争面から箸袋の販売価格には上乗せしていないのだそうで、エコに貢献ということになるのでしょう。

 地球温暖化防止のためには二酸化炭素を吸収する森林資源の保全が重要で、植林の推進や古紙の活用、そして竹のような非木材資源の利用が叫ばれています。この運動を積極的に推進しているのが「NPO法人 非木材グリーン協会」。1993年に「非木材普及協会」として設立され、2004年にNPO法人として認定、非木材植物資源の調査・研究、非木材の利用とその製品の普及・開発を目的として積極的な活動を続けています。

 非木材植物には「竹」を始め、「ケナフ」というインドやアフリカ原産で35mにも伸びるアオイ科の1年草や、サトウキビの搾り粕である「バガス」、「麦わら」、「葦」、「海藻」などが有力だそうです。

 非木材グリーン協会では、非木材パルプ(植物繊維)を重量費で10%以上を使用した原紙やこれを使った紙製品、加工品に対し「非木材グリーンマーク」を付けてアピールし、森林資源の保全に貢献、地球温暖化防止に一役買っているわけです。長井紙業でも約7割の箸袋にマークを付けており、私たちも、気がつかないままグリーンマーク箸袋で「エコ」に貢献しているのかも知れません。

 
 
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